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歯並び、噛み合わせ、美しい横顔(お顔のバランス)について

矯正治療で達成するべき3つの目標その1 歯並びを綺麗に

デコボコの歯並びを見た目がきになるということで来院される方はとても多いです。前歯のデコボコが治っただけで笑顔の印象は大きくかわります。当院では治療後の患者さんに治療を終えたところの感想を書いていただくのですが、歯並びを治す前は気になって人前で笑うことが出来なかったという方が想像以上に多くいます。

しかし大人で来院されるかたでは、歯磨きがしにくいからという理由の方も半分近くいるように感じています。デコボコの歯並びでは歯磨きはたしかに効率的ではなく、綺麗にするのは難しいです。歯並びを治さないと歯周病予防ができないとか、虫歯予防ができないということではありません。しっかり歯磨きをして定期的なメンテナンスに通うということが基本です。しかしデコボコが重度の場合、矯正治療は、歯磨きを容易にしますのでやはり効果的な予防法の選択肢ということができるでしょう。

矯正治療で達成するべき3つの目標その2 噛み合わせ

噛み合わせは治療しなければいけないのか。

これはよく聞かれる質問のひとつです。ある種の噛み合わせは明らかに食物を噛み切り、砕く働きが劣ることになります。例えば開咬という前歯が咬み合わない症状の患者さんは、治療を終えたあと「お蕎麦が前歯で噛み切れるようになった」とおっしゃいます。

また噛み合わせが悪いと全身状態に悪い影響が出るということを心配している患者さんもおられます。診療にあたっていると、治療の改善とともにそういう不定愁訴(頭重いらいら疲労感不眠など漠然とした不快感を伴う自覚症状を訴えるが,それとからだの異常との関連がはっきりしないもの。)が改善する患者さんがいらっしゃるのも事実です。

しかし、私はこういう症状だけが気になるという患者さんには矯正治療を強くすすめることはしません。なぜかというと、噛み合わせと不定愁訴の関連は明らかにはまだなっていないのです。実際には噛み合わせの治療で、腰が伸びず歩けなかったおばあさんが歩けるようになったという症例も体験していますが、それでも医学的な証拠がない以上患者さんには無責任に保険外の高価な治療はすすめられないなというのが、今の私の考えです。

噛み合わせを治療する明らかなメリットも存在します。まず上下の歯があたる部分が明らかに増えることで、食べ物はより効率的に粉砕され、食物を摂取する上での第一の行為である「咀嚼」の効率はグンと高まります。我々は専門用語でいう、Class Iとか I級というかみ合わせを目指します。このかみ合わせは上下の歯が櫛の歯のように互い違いにぶつかりあり、上下の歯がくっつくたびにお互いの歯を均一に押し付け合います。

矯正治療には、後戻りといって綺麗に並べた歯が治療の後、元の場所に戻っていってしまう現象がおきてしまうことがありますが、しっかりと噛み合った状態ではこういう後戻りは起きにくく、いわば噛む力が歯の位置を安定させることとなります。ですから噛み合わせを良くすることは、治療の目標でもあり、かつ治療の経過を良くする役割も果たしているといえます。

矯正治療で達成するべき3つの目標その3 横顔を綺麗に

この写真をみていただくと、随分と横顔が綺麗になっているのがわかると思います。矯正治療を行なうにあたり、口元の状態を評価し、これを改善するための治療計画を立て、これを患者さん協力の元で実践できれば、このような結果をだすことができます。口元は鼻の尖端、唇、下顎のオトガイの位置で決まりますが、鼻の位置は歯科矯正治療では変りませんので、唇の位置に影響を与える歯の位置とオトガイの位置をどうするかを治療計画に組入れて、どのように力をかけていくかという知識と技術が矯正医には求められます。オトガイの位置を変化させるのは簡単ではなく、成長の止まった成人では難しい場合も少なくありませんが下顎前歯を動かすことによって、下唇からオトガイにかけての形態を改善することができ、より良い口元に変化していきます。

もちろん、この変化は全ての患者さんで同じように起きるわけではなく、個人差がもちろんあります。歯がどれだけ動くかもありますが、歯の変化によって唇などの軟組織がどのように変わるかが一様であるとはいうことは出来ません。また歯の動き自体も患者さんがどのような矯正装置を選択するかということも影響があります。しかし、まずは矯正を行なう歯科医師が、横顔、口元を改善するということをしっかりと治療目標にしているか、また、それを実現するだけの知識と技術を有しているかが大切です。

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